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2010年2月28日日曜日

XGI Volari

Phoronixの記事を読んでいたらおもしろい事が書いてあったのでメモ。いきなりですがXGIという会社名を聞いたことがあるでしょうか? 私もあまり知らなかったのですが、この会社の前身は台湾の半導体メーカー「SiS」のグラフィック部門だそうです。SiSという会社もあまりメジャーじゃないですが、古参の自作野郎ならば、名前くらいは聞いたことがあると思います。何を隠そう、私が一番最初に自分のお金で買ったパソコンのMBを作っていた会社なのです。ちなみにエプソンダイレクトです。

WikipediaによるとXGIがSiSから独立したのが2003年。設立時にTrident Microsystemsのグラフィック部門を買収したと書いてあります。Tridentも低価格パソコンにはよく使われていた記憶があります。SiS自体も、「Xabre」というGPUシリーズを開発しており、値段の割にはなかなかだという事で多少は売れていた気がします。今思えば、ATI、NVIDIAという2大メーカーによる独占が始まるギリギリの時代だったのでしょうね。それはそれで寂しい気もします。ちなみに読み方は「セイバー」らしいです。私は「サーブル」だと思ってました……。

そんな感じで独立したXGIですが、タイトルにある通り「Volari」というGPUを出したりして何とか頑張っていたようですが、売上は低迷し、2006年には、あのATIに研究開発部門を買収されて、新規GPUの開発はストップしてしまったようです。これでジ・エンドかと誰もが思っていたのですが、最近になって、またコツコツと活動を始めていたようなのです。

ここからが本題。Phoronixの記事によると、このXGIが数年間活動していなかったLinux用のドライバーを開発し始めたらしいのです。しかもオープンソースとして。古い記事も併せて読んでみると、なんとなく背景が見えてきました。研究開発部門が買収された後、暫くしてから何故かIBMの社員がXGIのドライバーの開発を再開。

これはどうやらIBMのPowerPCサーバーの為の開発だったらしいです。そして暫くはIBMの社員が開発を続けていたようなのですが、その開発者がIBMを辞めた事から再び開発が中断。ちなみにその社員は現在インテルに入社してインテルのオープンソースドライバーを担当しているらしいです。これが2008年のお話。

そんな感じで、今度こそXGIも終了かと思われていた矢先、今年に入ってから急にXGIのドライバー開発が再開されたようなのです。しかも今度はXGI社員自らが担当しているらしい。何故なのかというとXGIのVolariがMarvellのARM用GPUとして採用されたからみたいです。具体的に言うと「OpenRD-Client」という製品とHPのシンクライアント「HP t5325 Thin Client」という製品らしい。

OpenRD-Clientというのは、どうやらMarvell自身が絡んでいるプロジェクトで、TIのBeagleBoardみたいな感じなのかもしれません。詳しく調べていないのでいい加減ですが。日本で言うと玄人思考の玄柴の兄弟分みたいな感じの製品ですかね。まぁCPU部分だけの話ですが。おもしろいのがXGIの社員のパッチがどうもおかしかったらしく、その原因がドライバーをウィンドウズ環境で製作したかららしいのです。

どうやら、あまり(というか全然?)Linuxの知識が無い人が担当しているらしいのですが、おそらくコスト的に詳しい人を雇える余裕が無いのではないかとフォーラムでは推測していました。これは別に馬鹿にしている訳ではなく、それだけ切羽詰まった状態で、今度のARM環境でのGPU売り込みに賭けているのだろうという話ですね。確かに今更x86環境ではあまり需要がありませんものね。特にAtom登場以降は……。

ARM環境にもPowerVRという強敵がいますがインテルと違いドライバーのオープン化はされておらず、その事がXGIにとっても差別化出来る要因だと考えているようです。確かに強力なGPUでも実際の使用で原因不明のクラッシュとかあったら使えませんからね。特に特殊用途の多い組み込み系だと安定性が重視されるでしょうし。3Dバリバリの機能が必ずしも必要とは限りませんし。

長くなりましたが、これを機にARM環境での自由なGPUドライバーを提供してくれる企業が1つでも増えてくれることは今後においても重要な出来事になるかもしれません。XGIが成功してくれれば、PowerVRを持つImaginationも前向きにOSSドライバーを考えてくれるかも知れませんし。

最後に「HP t5325 Thin Client」と、XGIが開発中の新しいGPU「Volari G6」のビデオ。Volari G6はH.264とMPEG2のハードウェアデコードが売りみたいですね。いつ出てくるのか未定らしいですけど……。何かG6の紹介ビデオはたどたどしい日本語で頑張っている感がスゴいですね。売れるといいですね。

#YouTube
HP t5325 Marvell powered Thin Client - YouTube
http://youtu.be/cYaL-F-a5wo



XGI G6のH.264デコーダーの性能 - YouTube
http://youtu.be/kzFTx_OgsoE



#外部リンク
[Phoronix] XGI Working On Big Linux Patch For Big Feature
http://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=ODAxMQ

XGI Technology Inc. - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/XGI_Technology_Inc.

Open-RD.org
http://www.open-rd.org/

HP t5325 Thin Client (discontinued) - HP
http://h10010.www1.hp.com/wwpc/us/en/sm/WF10a/12454-12454-321959-338927-3640405-4063703.html?jumpid=in_r2515_us/en/smb/psg/psc404redir-ot-xx-xx-/chev/

Ubuntu Weekly Topics:2009年5月22日号 OpenRDのリリース・DisplayLinkのUSB接続VGA・UWN#142|gihyo.jp … 技術評論社
http://gihyo.jp/admin/clip/01/ubuntu-topics/200905/22

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