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2011年10月2日日曜日

フォントな話

もうそろそろUbuntuの新しいバージョンがリリースされますね。実はこっそりとVirtualBoxで試してるんですが正直かなり良いです:-) といっても仮想なのでUnityではなくUnity2Dしか試していませんけど。全体的には現行のブラッシュアップといった感じですがログインマネージャがGDMからLightDMに変更されてたりソフトウェアセンターの使い勝手が上がっていたりと改善が見られますし。特にLightDMはいいですね。シンプルでありながら美しさを感じます。

まぁいいや、そのUbuntuですが最近はお洒落に目覚めたのかデザイン面でのテコ入れが多くなってきているようです。その改善のうちの1つに「フォント」があります。Canonical自らがUbuntu用のデフォルトフォントを制作していますし。その名も「Ubuntu Font Family」。何というか、まんまですね:-) 「名は体を表す」といいますが自らを表現する為に新たにフォントを作るというのはなかなか気合が入っていて宜しいと思います。製品としてのオリジナリティを高める事になりますしね。

そのフォントですがLinuxで使われているフォントに興味が湧いたので自分なりに調べてみました。といってもホントにごく一部分しか理解出来ていません。正直フォントは奥が深すぎて一朝一夕には調べられる代物じゃ無いですし。なので今回は主にWindows環境の代替として使われているフォントについて調べてみました。

そのWindowsですが「コアフォント」と呼ばれるインターネット用の標準フォントのパックがあるようです。これが実質的なインターネット上でのデフォルトフォントになるのかな? Wikipediaによると2007年にマイクロソフトとアップルの間でフォントに関するライセンスの更新によってコアフォントがアップル製品の利用者にも使えるようになると発表されたみたいですね。これでWindowsとMacintoshで英文フォントに対する互換性問題は一応解決済みなようです。普通ならそれでめでたしめでたしな訳ですけどLinuxや他のOSを使っている極少数のユーザーには互換性の面で取り残されてしまっています。

この問題を最初に解決しようとしたのがRed Hat。いくつかあるWindowsのコアフォントのうち「Arial」「Courier New」「Times New Roman」(順に、現在もっとも普及しているサンセリフ/等幅/セリフフォント)の3フォントに置き換えて使用可能な「Liberation」3書体をリリースしたのが同じく2007年。リリースの理由は後述のリンク先を読んでもらえば判りますが主な理由は以下の部分だと思います。以下抜粋。
Liberationフォントは、文書をフリーなオペレーティングシステムとWindowsとで共有する際に、フォントの違いが原因でユーザがやむなく文書を整形し直すことがないように、Windowsコアフォントとフォントメトリックス的に同等になる(つまり各文字の占める横幅の長さが、対応するWindowsのフォントと等しい)ように設計されている。
Red Hatはかなり以前より、オペレーティングシステム間での相互運用性を実現するための高品質なフォントに関心を寄せていた。Red Hat次席法務顧問兼秘書役のMark Webbink氏によると、1990年代後期のRed HatディストリビューションにはArial/Courier New/Times Roman書体が含まれていたが、Microsoft社の著作権の侵害にあたるとしてサードパーティに訴えられたのだという。そしてその後、その争議については示談が成立し、2004年にRed HatはWindowsコアフォントとフォントメトリックス的に同等なAgfa Monotype社のプロプライエタリなフォントであるAlbany/Cumberland/Thorndale(各フォント名の頭文字は、それぞれが置き換える各Windowsコアフォントの頭文字に対応している)という3種類のフォントのライセンスの取得を発表した。これらのフォントはRed Hatの商用パッケージのExtras CDに含められて配布されたが、Webbink氏によると「フリーでもオープンでもなく、Red Hatにとって歯がゆい思いがするものだった」という。
ここに書かれている通り、このLiberation3書体の重要な点はWindowsの3書体のフォントメトリックス的に同等になる点であり、これによって高レベルでの文書の互換性が可能になったという事ですね。ここでふと気付いたのですが以前にも似たような話を聞いた事があったなぁと……。

実は数カ月前にGoogleがChrome OS用にオリジナルフォントを開発したという記事をこのブログで書いた事がありました。そのフォントも3書体同時リリースでした。そのフォントは「Arimo」「Cousine」「Tinos」の3つ。名前からも解る通りそれぞれ「Arial」「Courier New」「Times New Roman」の代替フォントのようです。
Arimo was designed by Steve Matteson as an innovative, refreshing sans serif design that is metrically compatible with Arial™. Arimo offers improved on-screen readability characteristics and the pan-European WGL character set and solves the needs of developers looking for width-compatible fonts to address document portability across platforms.
と説明にも書いてあるので基本的にはRed Hatの「Liberation」3書体と考え方は同じようです。違う点はライセンスですかね。「Liberation」3書体は例外規定付きの「LGPL」。GoogleのChromeフォントは「SIL Open Font License (OFL) 」だそうです。ライセンス以外にも自前で用意する必要性があったのかもしれませんが。まぁお金持ちなんでしょう:-) ちなみに前述の記事の中で以下のように書かれてもいるので実際にかなりお金が掛かるのでしょうね。商用レベルのフォント制作というのは。以下抜粋。
Webbink氏はLiberationフォントの制作に必要となった経費について正確な数字は明らかにしなかったが、「膨大な費用がかかった……が、正直に言ってRed Hatは得られた結果にかなり満足している。Liberationフォントは非常に魅力的なフォント集だと思う」と述べた。
また同じ記事の中で日本語フォントの事にも触れていたようです。
また別の現時点での問題点として、Liberationフォントには西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパの各言語の文字(ラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字)しか含まれていないということがある。Webbink氏によるとRed Hatは、フリーのフォントのサポートが今なお貧弱であるインド諸言語、日本語、中国語の文字にも後々は対応したいと考えているとのことだ。
この記事が書かれたのが2007年で残念ながら2011年の現在でもRed Hatから日本語フォントのリリースはされていない? ので、その後の方針が変化してしまったのかもしれません。またGoogleのChromeフォントの方も先日Chromium OSで調べてみた限りでは日本語フォントとして「IPAフォント」が使われていたので、今のところGoogleが新たに日本語フォントを用意しているという確証は掴めませんでした。

もし出来るのであれば、やはりWindowsで標準的な日本語フォントである(あった)MSゴシック/明朝フォント、あるいはそのベースとなっているリョービフォントを用意してくれると日本語での文書の互換性はかなり高まったのにと少し残念に思いますね。IPAフォントも実用上は問題ないレベルなんですけどね:-) Googleとしてはオンライン上で文書を編集できるGoogle Docs上でWebフォントとして提供出来れば特に問題無いのかもしれませんけど。

ちなみにIPAフォントですが以前何処かの記事で開発費用にも触れていて、確か数億円だと書いてあった気がするのですが今調べてみても肝心の記事が出てきませんでした。残念。あと現在でもメンテナンス費用? として年間3千万とかなんとかって話も何処かで聞いた気がするのですがうろ覚えなので本当かどうかわかりません:-)

まぁ大げさではなく日本語フォントの開発、特に商用フォントレベルで同系統の5書体となると開発費が相当高くなるのは仕方ないでしょうね。昔と比べて現在だともう少し安く調達出来るのかもしれませんが。あくまで素人の意見なので本当のところどうなのかはわかりませんけど。

いきなり最初の話「Ubuntu Font Family」に戻りますが、このフォントも残念ながら日本語フォントは今のところ無いようです。しかし一応日本語を含む「CJK」対応も考えてはいるようです。詳しく見ていませんが「WenQuanYi」という中国系のフォントプロジェクトとの連携を考えているらしい?

うーん正直これは日本人的にはあんまり嬉しくないかも。まだ具体的な話は見えてきませんけどね。正直CJK複合フォントは品質的にベースとなるフォント(この場合中国フォント)に引き摺られてしまう場合が多いので日本語フォントの漢字部分の品質がどうなるのか一抹の不安が……。

日本語、特に書体も1つだけならM+フォントベースの方が良いような気もしますけど、どうなんでしょうね。最近はIPAフォントだけでなくモトヤフォント2書体やAndroidのDroidフォントという商用フォントもオープンなライセンスで公開されていますしね。

気軽な気持ちでフォントの事を書き始めたのですが正直自分のような素人には到底まとめきれる代物では無かったようです。知識も付け焼刃で肝心な事は全然理解していませんし。正直全部消そうかとも思ったのですがここまで書いちゃったので晒し者として公開する事にします。とにかくフォントは難しすぎるので出来れば専門家の皆さんの協力が無いと良い解決策は見つからないのではないかと今更ながら危惧しております。上手い解決法が見つかるといいのですけどね:-)

#外部リンク
コアフォント - Wikipedia
コアフォント - Wikipedia

Red Hat、Windowsのコアフォントと置き換え可能なフリーのフォントをリリース - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載
http://sourceforge.jp/magazine/07/05/22/0040255

Ubuntu Font Family
http://font.ubuntu.com/

Google Web Fonts Arimo
http://code.google.com/webfonts/specimen/Arimo

Ubuntu Font CJK : Blueprints : Ubuntu Font Family
https://blueprints.launchpad.net/ubuntu-font-family/+spec/design-o-ubuntu-font-cjk

M+ FONTS
http://mplus-fonts.sourceforge.jp/

WenQuanYi - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/WenQuanYi

#内部リンク
BLOG.MINAWA.NET: Chrome OS のコアフォント
http://blog.minawa.net/2011/01/chrome-os_8708.html

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